学校のテストが返却されるたびに、「計算方法は分かっているのに、なんでここでミスをするの!」と、思わずお子様を叱ってしまった経験はありませんか? お子様本人もわかっているのに繰り返してしまう「ケアレスミス」は、親子の大きなストレスになりますよね。
実は、この「ケアレスミス」は、単なる不注意ではなく、トレーニングで改善できる習慣の問題です。
今日は、なぜそろばん学習が、このケアレスミスを根絶するのに役立つのか、そしてご家庭でできる「絶対ミスしない子」を育てるための声かけと習慣化の秘訣をお話しします。
[ この記事を書いた人 ]
ゆずあん(『そろばん理系脳』ブログ運営者)
PROFILE
そろばん歴20年
珠算:日本商工会議所珠算能力検定 1級合格
暗算:日本珠算連盟珠算能力検定 1級合格
そろばんの魅力、おすすめ教材、教室などを紹介
ふたりの子どもにもそろばんを習わせています
長女は高専に合格
1. ケアレスミスはなぜ起こる?その3つの原因
① 「わかっている」という心理的な油断
お子様が「これは簡単だ」と感じる問題ほど、脳が処理を省略しようとして、ミスが起こりやすくなります。
特に簡単な繰り上がりや、数字の書き写しで発生するのがこのタイプのミスです。
そろばんの訓練では、簡単な問題でも、毎回同じ手順で珠を弾くという習慣を徹底することで、「わかっているから大丈夫」という油断を許さない、厳格な姿勢を身につけさせます。
② 焦りによる「情報処理の抜け漏れ」
学校のテストや検定試験など、時間に追われている場面では、「早く終わらせたい」という焦りから、数字を見間違えたり、計算の途中で一桁飛ばしてしまったりといった「抜け漏れ」が発生します。
そろばんは、「正確さあってこそのスピード」を追求するため、速くても雑な処理を許しません。
一定のリズムで正確に珠を弾く訓練が、焦りによるミスを防ぐ心のゆとりを生み出します。
③ 体系化されていない「見直しの習慣」
ミスを減らす最大のカギは「見直し」ですが、多くの大人が「見直しなさい」と言うだけで終わってしまいがちです。
見直しには、「どのタイミングで、何をチェックするか」という体系化された習慣が必要です。
そろばんの検定では、見直しの時間配分まで含めてトレーニングするため、単なる「見直し」ではなく、「ミスの原因を特定する」という具体的な習慣が身につきます。
2. そろばん学習が「正確性」を鍛える仕組み
① 指先から伝わる「間違っている感覚」
そろばんは、珠を弾く指の動きが物理的な感覚として脳に伝わります。
例えば、間違った方法で珠を弾いたとき、指先に「いつもと違う」という違和感(フィードバック)が残ります。
この「感覚的な違和感」を無視しない訓練を繰り返すことで、計算の正確性だけでなく、日常生活における作業の正確性にも影響を与えます。
② 圧倒的な練習量による「自動化」
計算ミスは、一つ一つのステップを意識して処理している段階で起こりやすいものです。
そろばんは膨大な量の計算練習を繰り返すことで、計算自体を「意識しなくてもできる自動的な作業」に変えます。
計算を自動化することで、脳は「計算が合っているか」という部分から解放され、「問題の構造」や「解き方」といった、より重要な部分に集中できるようになります。
③ 「珠の位」を厳密に意識する訓練
そろばんの訓練では、珠を置く「位」を一寸の狂いもなく意識します。
この厳密な「位取り」の訓練により、お子様は数字の持つ「構造」を深く理解するようになります。
これにより、学校の筆算などで一桁間違えたり、位を飛ばしたりするミスが激減します。
これは、計算の正確さの土台となる、非常に重要な感覚です。
3. 親子でできる!ミスを減らす具体的な声かけ
① 「結果」ではなく「途中のチェック」を褒める
「なんでミスしたの?」と責める代わりに、「この問題、見直しチェックの線がしっかり引けているね」「急がずに最後までやりきれたね」と、ミスのない習慣そのものを褒めてあげましょう。
ミスそのものを避けるのではなく、「ミスの原因になる行動」を避ける習慣を褒めることが大切です。
② 「見直し」を「別のゲーム」だと提案する
「見直しなさい」では子どもは動きません。
そこで、「今からママが君の先生になるから、ミスの場所を見つけて教えてくれるかな?」と役割を交代するゲームにしてみましょう。
自分で自分の解答をチェックする訓練は、大人になってからの仕事の自己管理能力にも直結します。
③ ミスをしたら「なぜ」ではなく「どこ」を聞く
ミスが発覚した時、「なんで間違えたの?」と原因を問いただすと、子どもは言い訳を探してしまいます。
そうではなく、冷静に「じゃあ、どこからやり直せばミスが見つけられるかな?」と、解決策に焦点を当てた問いかけをしましょう。
この習慣が、お子様を「失敗を恐れる人」から「失敗から学ぶ人」へと成長させます。
4. 鳩ゆず庵の「ミス撲滅」指導体制
① 先生が徹底して「ミスの傾向」を分析
鳩ゆず庵の先生は、お子様一人ひとりのミスのパターンを把握し、「いつも繰り上がりのところで間違える」「焦ると数字を飛ばす」といった具体的な傾向を分析します。
その傾向に合わせて、練習の量や内容、声かけを変えることで、お子様が自分のミスの弱点を理解し、自力で克服できるようにサポートします。
② 「合格基準点」が高いからこそ生まれる緊張感
そろばんの検定試験は、合格基準点が高いのが特徴です。
これは、合格するには「完璧に近い正確さ」が求められるということです。
この厳しい基準があるからこそ、子どもたちは練習中から「ミスは許されない」というプロ意識を身につけます。
この緊張感が、大人になってからも役に立つ高い集中力と正確性を養います。
③ 褒められるのは「スピード」ではなく「正しい答え」
もちろんスピードも大切ですが、教室で先生が褒めるのは、まず「正しい答えが出たこと」です。
スピードが速くてもミスが多ければ評価されないという明確なルールがあるため、子どもたちは自然と正確性を優先するようになります。
この「正確性ファースト」の習慣が、一生涯の武器になります。
最後に:「完璧な子」を目指さなくて大丈夫です
「完璧な子になってほしい」と願うのは親心ですが、大切なのは「完璧であること」ではなく、「ミスをしても、必ず見つけて修正できる力」です。
そろばんは、この「修正力」を体と心に刻み込む、最高の習慣形成ツールです。
ケアレスミスで悩む毎日から卒業し、お子様の持つ本来の集中力を引き出してみませんか?
最後に:ケアレスミスは「才能」ではなく「習慣」で直せる
「不注意だから仕方ない」と諦めていたケアレスミスは、そろばんの訓練によって身につく「正確性ファースト」の習慣と、体系的な「見直しの力」によって必ず改善できます。
大切なのは、ミスを責めるのではなく、ミスを防ぐための「行動」を褒めて伸ばすことです。
そろばんで「自分はミスをしない」という揺るぎない自信と習慣を身につけ、お子様の学習効果を最大限に高めませんか?まずはお気軽にご相談ください。
