「子どもにそろばんを習わせたいけれど、どの教室を選べば失敗しないのか分からない…」そんな悩みを抱える保護者の方は多いでしょう。
近年、オンラインそろばん教室が増え、自宅にいながら質の高い指導を受けられるようになった一方で、料金体系や講師の質、サポート体制の違いによって、途中で挫折してしまう子どもも少なくありません。
特にオンライン学習は、直接講師の様子を見られないため、体験授業での印象や口コミの情報だけでは判断が難しいこともあります。
安い教室を選んだ結果、教材が古い、質問対応が不十分、授業の進め方が子どもに合わない、といった失敗が起こりやすいのです。
そこで本記事では、オンラインそろばん教室を失敗なく選ぶための具体的なポイントを徹底解説します。
料金やコスパの見極め方、講師の質と指導スタイル、子どものタイプ別おすすめ教室、無料体験から入会までの流れ、そして家庭で継続するための工夫まで、保護者目線で詳しく解説します。
この記事を読むことで、数字だけでなく思考力や集中力、自己肯定感も育てられる、最適なオンラインそろばん教室を選ぶ手助けになります。
[ この記事を書いた人 ]
ゆずあん(『そろばん理系脳』ブログ運営者)
PROFILE
そろばん歴20年
珠算:日本商工会議所珠算能力検定 1級合格
暗算:日本珠算連盟珠算能力検定 1級合格
そろばんの魅力、おすすめ教材、教室などを紹介
ふたりの子どもにもそろばんを習わせています
長女は高専に合格
オンラインそろばん教室で失敗する3つの原因
1. 料金だけで選んでしまう
そろばん教室選びでよくある失敗は、料金の安さだけで判断することです。
月謝が安いとお得に見えますが、教材が不十分、講師の対応が雑、サポート体制が弱い、といった問題が起こりがちです。
特にオンラインでは、授業の進行や教材の使いやすさが重要で、ここが不十分だと子どもが途中で挫折してしまいます。
料金と質のバランスを見極めるポイントは次の通りです:
- 教材費込みか:月謝にオンライン教材やプリント代が含まれているか
- 検定サポートの有無:検定申込やアドバイスが含まれているか
- 講師対応の充実度:質問への対応や進捗報告の頻度
さらに、長期的なコストを抑えるために、初月割引や兄弟割引、長期契約割引を確認すると安心です。
価格だけで判断すると、総合的な学習効果が下がる可能性が高くなります。
2. 講師との相性を軽視してしまう
子どもが学習を楽しめるか、続けられるかは講師との相性に大きく左右されます。
オンライン授業は画面越しのため、講師の声のトーンや説明のわかりやすさが重要です。
厳しすぎる講師、説明が速すぎる講師では、子どもの理解度が追いつかず、学習意欲が低下する場合があります。
体験授業で確認すべきポイント:
- 講師の声のトーンや表情:画面越しでも安心感があるか
- 説明のテンポと内容:子どもが理解できる速度か
- 褒める頻度:励ましがあるか、失敗を前向きに捉えさせているか
褒めて伸ばすスタイルの講師は、子どもが自信を持ち、長期的に学習を継続できる傾向があります。
また、複数教室で体験して講師の違いを比較することも重要です。
3. サポート体制を確認していない
オンライン学習では、家庭でのサポートが不可欠です。
接続トラブルや子どものモチベーション低下など、家庭環境や講師のサポート力が学習継続に直結します。
確認しておきたい項目:
- 質問対応方法:メール、チャット、LINEなどで迅速に回答があるか
- 保護者への進捗報告:週報や月報などで学習状況がわかるか
- 振替制度:欠席時の振替や補講が可能か
低学年の子どもほど、サポート体制が手厚い教室を選ぶと安心です。
サポートが不十分な場合、途中で挫折してしまうリスクが高くなります。
料金・コスパで選ぶポイント
オンラインそろばん教室を選ぶ際、最も気になるのが「料金」と「コスパ」です。
一見するとどの教室も似たような価格帯に見えますが、月謝だけを比べて決めてしまうと、思わぬ追加費用やサポート不足で「結果的に割高だった」と感じてしまうことも少なくありません。
そろばん学習は短期的に終わるものではなく、少なくとも1〜2年以上の継続が前提になります。
そのため、「月謝の安さ」よりも「継続しやすさ」「学習効果」「サポート体制」などを含めた**トータルコストパフォーマンス(費用対効果)**を見極めることが大切です。
ここでは、料金構成の仕組みや平均相場、そして“安いだけではない賢い選び方を、実例を交えながら詳しく解説します。
月謝の平均相場と料金構成の内訳
オンラインそろばん教室の月謝は、一般的に3,000円〜8,000円前後が主流です。
ただし、この金額だけで比較するのは危険です。
教室によって「含まれている内容」が大きく異なるため、料金表の見方を理解しておく必要があります。
① 月謝に含まれる主な項目
- 授業料(ライブ授業や動画配信)
- 教材費(プリント・アプリ使用料など)
- システム利用料(通信・管理システムなど)
- サポート費(質問対応・進捗レポートなど)
例えば、月謝3,000円の教室は動画配信型でサポートがほとんどない一方、月謝7,000円の教室では講師が個別に進捗を管理し、検定対策まで行ってくれるケースもあります。
同じ「そろばんを習う」でも、サービスの質がまったく違うのです。
② 入会金・教材費・検定費もチェック
- 入会金:0〜5,000円程度
- 教材費:月額500〜1,500円、または年単位でまとめ払い
- 検定費:検定受験時のみ1,000〜3,000円ほど
- システム利用料:月額300〜800円(別途の教室も)
意外と見落としやすいのが「教材の更新費」。
定期的に改訂版が出る場合は追加購入が必要なこともあり、1年単位で計算すると差が出ます。
また、検定を目指すお子さんの場合は、受験費用や模擬試験の教材代が別途必要になるため、将来的な費用も視野に入れておくと安心です。
無料体験や初月割引の上手な活用法
多くのオンラインそろばん教室では、無料体験レッスンを1〜2回実施しています。
この体験を“お試し”で終わらせるのではなく、実際の入会を前提に比較検討する場として活用するのがポイントです。
体験時にチェックしたい項目
- 子どもの集中力がどのくらい続いたか
- 講師が声かけやフォローをしてくれたか
- 授業のテンポや説明の分かりやすさ
- 接続トラブルやサポート対応の速さ
また、初月割引や兄弟割引、長期契約割引などのキャンペーンも積極的にチェックしましょう。
たとえば「初月半額+教材無料」のキャンペーンを使えば、実質2,000円台でスタートできる教室もあります。
**「とりあえず一度試してみる」**という気軽な姿勢で、子どもの反応を観察することが大切です。体験後の印象をもとに、「子どもがまた受けたいと言った教室」を選ぶのが、結果的に長続きするコツです。
料金に見合うサポートを見極める
同じ月謝でも、サポートの内容は教室によって大きく異なります。
「月額7,000円もするのに、ただ授業動画を見るだけだった」と感じる保護者もいれば、「毎回講師からコメントが届くので安心」という方もいます。
つまり、料金の高い・安いよりも、“サポートの中身”が重要です。
代表的なサポート内容
- 授業後のフィードバックメール
- 週次または月次の進捗レポート
- 保護者向けLINE/チャットサポート
- 検定受験サポート(申込や模擬試験案内)
- 振替・補講制度
サポートが丁寧な教室は、講師と保護者の距離が近く、学習の習慣化につながりやすいという特徴があります。
一方、サポートがほとんどない教室では、子どものモチベーションが下がったときに立て直すのが難しく、結果的に「やめ癖」がついてしまうことも。
長期的な視点で見れば、“学びを続けられる環境”こそ最大のコスパです。
価格帯別の特徴とおすすめタイプ
【低価格帯:3,000〜4,000円/月】
- 主に動画配信型・アプリ教材中心
- 先生の個別フォローは少ない
- 自分のペースで進めたいタイプ向け
忙しい家庭や、すでにそろばんの基礎がある子におすすめです。
ただし、モチベーション維持が難しいため、親が学習を見守るサポートが必要です。
【中価格帯:5,000〜7,000円/月】
- ライブ授業+質問対応あり
- 教材費・検定サポート込みが多い
- 講師とのコミュニケーションが取れる
最も人気の高い価格帯。講師がついて指導してくれる安心感があり、初心者でも続けやすいのが特徴です。
【高価格帯:8,000円以上/月】
- 完全個別指導 or 担任制
- 検定対策・習熟度管理が徹底
- 保護者へのフィードバックが充実
「短期間で段位を目指したい」「集中して力をつけたい」お子さん向け。
料金は高いものの、成果が出やすく、継続意欲を維持しやすい環境です。
講師の質と指導スタイルの見極め方
そろばんは「習うより慣れろ」と言われますが、オンラインでは“教え方のうまさ”が結果を左右します。
同じ教材でも、講師が子どもをどのように導くかで、習得スピードや理解度に大きな差が出ます。
有資格者・大会経験者の講師を選ぶ理由
そろばんは段位や検定制度が明確に存在する世界です。
有段者や大会入賞経験者は、数字の扱い方だけでなく「どこでつまずきやすいか」「どうすれば上達するか」を熟知しています。
資格や経歴を明示している教室は、信頼性の高さの目安になります。
“褒めて伸ばす”指導スタイルが子どもに合う
厳しい指導よりも、ポジティブな声かけでやる気を引き出す講師が好まれます。
オンラインでは特に、画面越しの関係になるため、表情や声のトーンが子どものモチベーションに直結します。
「今日もよく頑張ったね」「少しずつ速くなってるね」といった励ましがあるかどうか、体験時にしっかりチェックしましょう。
オンライン授業経験が豊富か
オンライン特化型の教室は、通信トラブルや操作面でのフォローも慣れています。
授業進行がスムーズで、子どもがストレスを感じにくいのが特徴です。
一方、対面中心だった教室がオンラインに切り替えただけの場合、操作指導や教材共有がぎこちないケースもあるため注意が必要です。
子どものタイプ別おすすめ教室
集中力が短い子:ゲーム感覚型
アプリやクイズ形式で進められるタイプの教室は、「勉強」より「遊び」に近い感覚で学べます。
飽きっぽい子でも達成感を得やすく、短時間でも集中できます。
ポイント制やランキング要素がある教材なら、モチベーション維持にも効果的です。
基礎を固めたい子:マンツーマン型
1対1でじっくり指導してくれるタイプは、初心者や苦手意識のある子に最適です。
講師が常に子どもの理解度を確認しながら進めてくれるため、学び残しがありません。
保護者への報告も丁寧なことが多く、安心して任せられます。
総合力を伸ばしたい子:複合学習型
そろばんだけでなく、読み書きや文章題も組み合わせた教室では、数的思考力+国語力+集中力が同時に伸ばせます。
将来の中学受験や算数の先取りにもつながるため、小学校低学年のうちから始める保護者も増えています。
無料体験から入会までの流れ
- 複数教室の体験授業を受けて比較
- できれば2〜3教室体験し、子どもの反応を比較します。
- 授業中の様子を観察
- 集中して取り組めているか、講師の説明を理解できているか。
- 体験後のフィードバックを確認
- 教室側から丁寧な感想や提案が届く場合は、サポートが充実している証拠。
- 料金プラン・契約内容を確認
- 教材費・検定費などの追加料金の有無をチェック。
- 入会後の流れを把握
- 学習時間の設定、連絡手段(LINEやメール)、初回指導日などを確認します。
入会後は「勉強時間を固定化」するのが継続のコツです。
「毎週○曜日の17時はそろばんの日」と決めることで、習慣化が進みます。
また、段位検定や進級試験など、小さな目標を設定しておくと、モチベーションが長続きします。
まとめ:料金以上の価値を見極めて選ぶ
オンラインそろばん教室を選ぶうえで大切なのは、「料金の安さ」ではなく「料金に見合う価値があるか」です。
安いだけの教室では、教材が古い・質問対応が遅い・講師の質が一定しない、といったリスクがあります。
一方で、多少高くても講師のフォローやサポート体制が整っている教室なら、子どもの自信とやる気を育てる“投資”になります。
子どもの性格や家庭の環境によって、最適な教室は異なります。
重要なのは、**「無理なく続けられる仕組みがあるか」**を見極めること。
体験授業や口コミ、料金プランを丁寧に比較しながら、子どもが「そろばんって楽しい!」と思える教室を選びましょう。

